むかーしむかし、あるところに、太鼓の大好きなおばさんが住んでいました。
毎日毎日太鼓太鼓と走りまわっていたある日のこと。
おばさんの足もとにころころころと、小さな太鼓が転がってきました。
あれまあ、この太鼓はどこから来たのでしょう?
誰も知りません。
おばさんが歩くと、太鼓もころころついてきます。
おばさんは気味が悪いなあとは思ったのですが
太鼓が大好きだったのでつい、
「おまえさんはどこからきたんだい?」と言いながら
とんとことんと打ってみたのでした。
するとどうでしょう。
中から声がするではありませんか。
「出して!出して!私をここから出してください!」
びっくりしたおばさんが一生懸命太鼓を開けてみると
中からそれはそれはめんーこい女の子が出てきたではありませんか。
おばさんは、たいそうたまげてひっくり返りました。
子どもの居ないおばさんは、この太鼓から生まれた不思議な娘を太鼓姫と名づけ
大切に育てましたとさ。
ちゃんちゃん。